雪形

雪形

大町に春を告げるのは花だけではありません。それは山の雪融けが始まると北アルプスの東斜面に現れる雪形です。 雪が解けて表れた山の地肌や黒い岩肌と、まだ残っている白い雪が描く雪の造形は春のしるしともいえます。 農作業の目安や山の名前の由来になったという雪形は、昔から麓の人々に親しまれてきました。 4月から現れるものや6月に入ってから形がはっきりわかるものもありますが、多くの雪形は5月にその姿を現します。 JR大糸線の車窓から、また、お車の場合は安曇野インターを下りて北アルプスパノラマロードから雪形と出会うことができます。そして市内観光や移動中に、この時期なら田植えが済んだ田んぼ越しや、りんごの花越しに北アルプスを眺めることができるでしょう。ぜひ峰々の稜線だけでなく、山肌に描かれた紋様に視線を向けてください。

雪形ウォッチング

雪形ウォッチング

雪形は北アルプスの麓の広い範囲で眺められますが、方角や時期も大切な要素です。毎年GW明けから5月の土日に数回行われる雪形ウォッチングでは、大町市内と白馬、安曇野の雪形ビューポイントをあづみ野雪形研究会による解説を受けながら巡ります。 (今年の日程等詳細は決まり次第、当ホームページにてお知らせします)北アルプスの眺望がすばらしい大町山岳博物館からの観察もおすすめです。館内には雪形についての常設展示があり、雪形についてのお問い合わせにも応じています。

大町山岳博物館 (外部リンク)
TEL:0261-22-0211

代表的な雪形

代表的な雪形

爺ヶ岳の『種まき爺さん』(北の種まき爺さん)

爺ヶ岳南峰と本峰の鞍部直下には4月下旬から5月中旬に、鍬を担いだお爺さんの雪形が現われます。この雪形は大町市街から見ることができます。田淵行男は『山の紋章』で、本峰直下の雪形を「ひと足遅れて応援に馳せ参じる婆さん」と呼んでいます。爺ヶ岳の山肌に種まき爺さんが出ると、「苗代の準備をした」との伝承が残っています。

代表的な雪形

爺ヶ岳の『種まき爺さん』(南の種まき爺さん)

北の種まき爺さんの左側、爺ヶ岳南斜面には、南方の安曇野の人々によって「種まき爺さん」と呼ばれる雪形があります。こちらの種まき爺さんは、北の種まき爺さんに比べ大きさも大きく、見える時期も北の種まき爺さんより早いことから、両地域には春の訪れに差もあり、苗代に種を蒔く時期が違ったために、一つの山に二人の種まき爺さんを生むこととなったと見られます。しゃがんで苗取りをしているとも伝えられています。4月上旬から下旬が見ごろです。 この他常盤地域では、爺ヶ岳に第三の「種まき爺さん」とも言われる伝統的な雪形が、聞き取りによって確かめられています。

代表的な雪形

鹿島槍ヶ岳の『獅子(シシ)』(カモシカ)

4月下旬から5月上旬まで大町市街から見ることができます。鹿島槍ヶ岳吊り尾根の直下に、山を駆け下る獅子の姿が現われます。幕末から明治にかけて、この雪形にちなんで「獅子ヶ岳」とこの山が呼ばれていたこともありました。

代表的な雪形

鹿島槍ヶ岳の『鶴(ツル)』

こちらの「鶴」の形をした雪形は、鹿島槍ヶ岳南峰直下に、4月下旬から5月中旬まで見ることができます。北峰直下の雪形である「獅子」と向かい合うように、飛び立とうとしている姿から「登り鶴」と称して、幕末から明治時代にはこの山は「鶴ヶ岳」と呼ばれていました。この雪形が現われる頃、大町市の水田にも水が張られます。