塩の道に思いを馳せて

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信州大学学生の大町情報

寒さが長引いている今日この頃、僕が大町を訪ねる時には、なぜか決まって車窓から眺める景色が一面の白になっていることに気づきました。
今回は『塩の道』にすこし関係のあるお話。
歩荷の方々は、この雪景色を眺めながら塩を運んでいたのでしょうか。
『塩の道』は、その昔、松本や大町と新潟県を結んでいた交易路のことで、新潟からは塩や海産物などが運ばれてきていたため、『塩の道』という通称で呼ばれているそうです。
かつて、武田信玄が「塩責め」を受けているときに、ライバルである上杉謙信が「敵に塩を送る」という歴史上の逸話がありますが、塩の道はこの逸話の舞台でもあります。
そんな歴史のある大町市で今回お邪魔したのは、信濃大町駅の駅前通りにあるお蕎麦屋さん、『こばやし』さんです。

昔ながらのお蕎麦屋さんといった雰囲気のお店。

入り口前の植え込みがお洒落です。

柔らかい照明と木肌の温もりを感じる店内には、ゆったりとした時間が流れています。 今回いただいたのは『塩の道そば』と『ざるそば』です。 『塩の道そば』はその名の通り、塩の道になぞらえて作られたメニュー。

山菜や天ぷら、そして塩に見立てた大根おろしが乗っている冷たいお蕎麦です。 山ものと海のものが混在しているのは、まさに海と山をつなぐ交易路であった塩の道を思わせます。

お蕎麦は手打ちで細めなのですが、その細さからは想像がつかないコシと歯ごたえがあり、山菜や大根おろしとの相性も抜群でした。
「大町に来るたび、いつも一品ずつしか食べられないから、一品ですべてを味わえるメニューがほしい」というお客さんのリクエストが発端となり、のちに『塩の道』の史実をモチーフにして『塩の道そば』が誕生したとのこと。ちょうどよい器がなかなか見つからず、都合一年かかって器を探したというエピソードもあるとか。
 
『ざるそば』のほうはオーソドックスながら蕎麦の白さと海苔の黒さ、器の赤のコントラストを目で楽しむこともでき、『こばやし』さんならではの蕎麦の特徴と香りの高さが引き立つ逸品でした。
『こばやし』さんの特徴のひとつは、お店に入ると最初に蕎麦湯を出していただけること。 ご主人、小林 宏仲さんのこだわりです。

今回もお蕎麦をいただく前といただいた後で 蕎麦湯の味わいも違って感じられ、とても新鮮でした。
昔の方々の生活に思いを馳せながら、 ゆったりとした時間の中でいただくお蕎麦。
日常を少し忘れてみたくなったら、 ぜひ訪れてみてください。
 
今回お世話になったお店 手打ち蕎麦処 こばやし
大町市大町3210 (信濃大町駅 徒歩2分)
TEL:0261-22-1200
水曜定休 営業時間 11:00~17:00

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