大町だより

大町の旅(8月・Part1)

暑い夏もいよいよ終盤、、、信州は、お盆をすぎると、例年なら時折秋の風が吹く季節になりますが、今年はどうでしょうか?  

大町を知りつくした元ベテランタクシードライバー治(ハル)さんに案内してもらう旅、今回は八坂をひと回りして大町市街に戻ってくるというコースでした。  

まだまだ知られていない穴場スポット満載の旅でした。


藤尾覚音寺




大町市八坂(合併前は八坂村でした)は、山あいにひっそりと集落が佇み、湿原や滝、山に囲まれた温泉や、ハイキングに適した山などが点在し、信州らしい風景の見られる場所です。誰も知らない穴場が多いのも八坂の特長、、、ここ藤尾覚音寺もその一つ。たぶんここに至る道が狭い山道のせいか(運転には充分注意してくださいネ)人知れず残されている、、、そんな感じのお寺です。  








でも、ここに安置されている千手観音像とその脇侍(両側に並ぶ)持国天像と多聞天像を含めた三体は、平安時代後期の優れた彫刻として国の重要文化財に指定されているのです。撮影禁止だったのでここには載せられませんが、ぜひ実物を見に訪れてみてはいかがでしょうか。

 




三体の中央に立つご本尊(正式には、十一面千手観世音菩薩立像)は、当時としては珍しい寄木造りで、その胎内から「墨書木札」1枚「紙本千手観音摺仏」28枚「白銅鏡」1面が、昭和になってから発見されたのです。まるでタイムカプセルのように、造られた時代のことが800年も後にようやくよみがえるというのは、すごいことですね!  





さて続いて向かったのは、珍しい植物や昆虫類(特にトンボ類)が多く生息している唐花見湿原です。



唐花見湿原
 




ここ唐花見(からけみ)湿原も穴場の多い八坂の中でも代表的な場所です。20年位、年に1~2度は訪れていますが、人に会わなかったことの方が多いくらいの超穴場です。それだけに「この風景ひとりじめ!」と得したような贅沢に気持ちになれます。  



















今、ウメモドキの実がだんだんと赤くなってきています。四季を通じて様々な発見がある唐花見湿原ですが、赤いウメモドキの実が織りなす風景がなんといっても独特です。季節とともに変化していく秋以降の唐花見湿原もお見逃しなく! 参考までに晩秋の赤い実と冬の唐花見湿原の写真も載せておきます。  




 周囲の紅葉が終わった晩秋の頃、モノトーンの世界に赤いウメモドキの実だけが浮かびあがる時期は、普段訪れる人の少ないこの唐花見湿原も、アマチュアカメラマンの人達で(いつもよりは少し)賑やかになります。でも貴重なここでしか見られない風景です。  







鷹狩山

そして、八坂といえば、やはり鷹狩山! なんといってもここからの眺めは格別です。あまり知られていませんが、北アルプス展望台としては、一、二を争う場所ではないでしょうか、、、。  

山頂には、こんな山のてっぺんに?と思うような立派な建物(展望台)が旧八坂村時代からありました。階段で中展望、屋上展望へと上がり(反対側の山の眺めも素晴らし~い)、晴れていればいつでも絶景が眺められ、望遠鏡も完備。展望台の建つ展望広場からの眺望もみごとで、治さんいわく「夜景もまた素晴らしい」とのこと。空が近いので、星や月も見渡せそうです(夜は運転注意!)。  



今回は市民ボランティア「鷹狩山に展望公園をつくる会」の代表である野村透さんやメンバーの皆さんが作業しているところにお邪魔し、お話を聞かせてもらうことができました。昨年3月に全国放送されたテレビ東京の番組「田舎に泊まろう スペシャル」の中で、実話に基づいて作られた八坂が舞台のドラマ「空飛ぶりぼん」に鷹狩山が登場(主人公の難病の女の子が好きだった場所)して以来、県外から訪れる方が少しずつ増えてきたとお聞きしました。テレビの影響ってすごいですね。  

「鷹狩山に展望公園をつくる会」は、現在メンバーが80人ほど。大町市民なら誰でも参加でき、遊歩道や散策路、案内板、植物園などの環境整備に取り組まれています。植物園には、かつて自生していた花を中心に、季節ごとのかれんな花が咲いています。この時は、ギボウシ、キキョウ、ウスユキソウ、ニッコウキスゲやヌスビトハギなどが咲き、マツムシソウも咲き始め。先日までは、長野県レッドデータブックに準絶滅危惧種として許可なく採取を禁止されているヒメシャガ(株分けで増やしたとのこと)がたくさん咲いていたそうです。草刈りをすることによって日当たりが良くなって花が育つとのことで、現在200~300種類の植物が季節ごとに目を楽しませてくれます。




山岳博物館  

大町、北アルプス、、といえば忘れてはいけないのが、ここ大町山岳博物館ですね。現在企画展として「カモシカを育てる」が開催されています。実際に現在飼育されている裏の付属園のカモシカにも会うとさらにカモシカに愛着がわいてきます。  

大町山岳博物館に関しては、次回さらに詳しくご紹介する予定です。  
 



さて、今日昼食を予定している「わちがい」に昼の席の予約を入れ、その間に、治(ハル)さんオススメの松崎和紙に寄ることにしました。


松崎和紙  


その昔、大町の和紙はとても有名でした。この地域の和紙の歴史は、なんと11世紀にさかのぼります。仁科神明宮の祭用に奉仕社人が野生の楮(コウゾ)や楡(ニレ)の皮を使って作ったのが始まりという、とても歴史の古いものだったようです。現在までの約1000年の長い歴史の中で、最盛期は200軒ほどもあった紙すき所が、今はここ松崎(まっさき)和紙ただ1軒のみ!  





伝統の技を守り続けている腰原泰男さん、修一さん親子にいろいろうかがうことが出来ました。そしてその工程も見せて頂きましたが、とても手間のかかる手作業で、それだけに味のある和紙の風合いは、機械では絶対に出すことの出来ないものになるのだということがわかりました。また、昔からの伝統的技法に加え、木の葉などを巧みに漉き込ませた新しい技術で、現代風な小物や葉書、照明器具や壁掛けなど、様々な製品も生み出されています。和紙の魅力は現代の生活にも潤いを与えてくれそうです。  






松崎和紙では、希望者に手すき和紙の体験教室(要予約)を行っています。所要時間は約2時間でうちわを作成。ていねいに教えてもらえ、手作りのお土産にもなるので訪れたお客さんに大変好評とのこと。値段も1500円と良心的なので、今度チャレンジしてみたいです。


〔住所〕〒399-0003 長野県大町市社(松崎)6561

〔TEL〕0261-22-0579

〔営業時間〕8時~17時

〔定休日〕無休



わちがい  





まるで資料館のような、、、初めてここ「わちがい」に訪れた時、単なる食事処というだけでなく、建物や調度品、そして柱の一本一本までが、古民家資料館のような雰囲気と佇まいに感動したのを覚えています。今回、久しぶりにお邪魔しました。  





長い間、使われていなかった奥に長い町屋づくりの建物がよみがえり再び灯りがともったのは数年前。メニューは大町名物のおざんざ(980円)や大町黒豚を使った黒豚丼(1050円)を中心に、地元で採れたものや季節の野菜の素材のおいしさが堪能できる町屋膳(小鉢4品 1850円)、茂吉膳(小鉢5品 2350円)、わちがい膳(小鉢6品 3150円)などのお食事、有機栽培コーヒー(450円)、お抹茶(和菓子付き 600円)、手作りのとまとじゅうすやうめじゅうす(各450円)、そして、地酒やビールも充実していて、特別純米酒 呑みくらべ(金襴黒部、白馬錦、北安大國と大町にある3蔵を楽しめて600円~)はそそられます。おざんざや黒豚丼(たれ・塩)にも付く切り干し大根やトマトだれ(←時期によって変わる)で食べる豆腐は素材のおいしさが引き出され、お膳ものには、夕顔やナスなどの夏野菜が並び、地元の旬を楽しめました。  

  

100年を越える歴史ある町屋づくりの家、そんな時代に思いを馳せながら趣ある店内でゆっくりと食事やお茶ができるオススメ食事処ですが人気があって昼時などは混み合うことが多いので、来店前に席の予約をしておくと確実です。

〔住所〕〒399-0002 長野県大町市大町(上仲町)4084

〔TEL〕0261-23-7363

〔営業時間〕10時~18時30分(ラストオーダー)

〔定休日〕火曜日・第4月曜日(祭日は営業)

(わちがいHP http://www.wachigai.com/cn12/cn10/index.html



 

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