北アルプス 山の食材

3000m級の山々が連なる北アルプスは荘厳で聖なる場所であると同時に、その麓に生きる私たちに様々な恵みをもたらしてきました。信濃大町駅前の石碑に彫られている「山を想えば 人恋し 人を想えば 山恋し」という百瀬慎太郎氏の句は、この地に住む人々が山と共に生活してきた文化をよく表しています。里山の森は薪や材となって生活を支え、人々は春の山菜狩り、夏の魚釣り、秋のきのこ狩り、冬は熊や猪を撃ちに、四季を通して山へと出かけました。山の食材には、北アルプス山麓に生きる人々の喜びが詰まっているのです。

山菜ときのこ

北アルプスの麓に広がる豊かな森と共に暮らしてきた信濃大町には、山の恵みを享受する食文化が息づいています。天然ものの山菜やきのこは、限られた季節の限られた場所でしか採れないため、収穫量はわずかですが、自然のエネルギーが凝縮された貴重な食材です。春には雪解けを告げるように顔を出すフキノトウから始まり、コシアブラ、タラの芽、行者ニンニク、山ウド、葉ワサビやノカンゾウなど、山にあふれる命の息吹が食卓を彩ります。秋には松茸やシメジ、ヒラタケ、リコボウ、コウタケ、クリタケ、コムソウ、マイタケなど、きのこ名人が持ち帰る山の恵みが食卓を飾ります。

ジビエ

ジビエ(GIBIER)とは、フランス語でシカやイノシシ、鳥などの野生の獣肉のことをいい、狩猟民族であるヨーロッパの国々では、高級食材として珍重されています。かつてここ信濃大町でも、北アルプス山麓に生息する鳥や獣を山の恵みとして頂く、山国ならではの食文化が息づいていました。近年、その価値が見直され、様々な調理法でジビエを楽しむ機会が増えています。市内のレストランでも、鹿、熊、イノシシ等のジビエ料理が提供されています。

蕎麦

信州は、私たちが今食べている麺状の蕎麦発祥の地といわれています。寒冷地を好み痩せ地でも育つソバは、山間の傾斜地での栽培に向いているため、稲作に不向きな北アルプス山麓の山間地では、昔からソバが食べられてきました。例えば美麻地区の新行(しんぎょう)は、夏になると白いソバの花で覆われる小さな集落で、45年もの歴史がある「新行そば祭り」を開催しています。信濃大町の冷涼な気候と清冽な水に育まれた蕎麦には山菜がよく合いますし、秋のきのこ蕎麦も秀逸です。ぜひいろいろな季節に、いろいろな店の蕎麦を味わってみてください。

菜の花オイル

東山の中山高原は、秋には高原全体を白い蕎麦の花が覆い、春には菜の花が咲き誇る素晴らしい場所です。そんな美しい景観から生まれた美麻高原「菜の花オイル」は、100%地元美麻地区の菜種を使用した自家焙煎、自家搾油、無添加、自然ろ過のオーガニック調味用ヴァージンオイルで、雑誌「料理通信」の全国お宝食材コンテストでも選定品にも選ばれています。手軽にお使いいただける新しい感覚の「かけ油」として、味わい深い菜の花の香をお楽しみください。